- 作者: 万城目学
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2010/04/01
- メディア: 文庫
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この本の単行本が最初に書店に並んだ三年前、
「青丹よし」という奈良の枕詞に惹かれ、
何度か興味を持って手に取っておりました。
しかし、その頃から、
「本は文庫化してから・・・。」
が、基本スタンスな私。
その後はこの小説タイトルが、
フジテレビのチャラチャラとしたドラマ(←偏見)になったようで、
それで興味も完全消滅。
すっかり忘れておりましたが、
これも文庫化されたようなので、
遅ればせながら買って読んでみました。
ちなみにドラマはまったく観ておりません。
いやいや、こりゃ面白いよ。
私は、日本の神々、
古事記や日本書紀は大好きですが、
ただその内容は一部凄惨、陰湿であって、
とてもファンタジーと呼ぶには、
ほど遠いものであると思っておりましたが、
描きようによってはこのように、
立派にファンタスティックになるものです。
それにただのファンタジーでもないねぇ。
文豪・漱石の「坊ちゃん」もリスペクトしているし、
スポコンもののエッセンスまで盛り沢山。
そうそう、一番納得してしまった、鹿のお話。
これだから人間は困る。いいか、この世に存在する種のなかで、
排泄と生殖を相手の面前で行うことを恥らうのは人間だけだ。
それなのに、自分たちだけの習慣を他者に平気で押しつけてくる。
それが万能だと信じて疑わない。失礼だって?
これぞ人間の勘違いの極みだな。
だいたい人間は道端でものを食べるくせに、
道端で排泄することはいけないという。
生きるため、この二つはまったく同価値なのに。
人間は食べる必要のないものまで食べる。だから排泄を恥ずかしがる。
それに人間はこの世で唯一、不必要な生殖行為をする生き物だ。
まったくです・・・。
・・・参りました。
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