特別展「空海と密教美術展」 東京国立博物館 その十

2011年7月20日(水)〜9月25日(日) 
110-8712 台東区上野公園13-9 東京国立博物館 平成館 
博物館公式サイト http://www.tnm.jp/ 
特別展公式サイト http://kukai2011.jp/




東京国立博物館 その → 
→ 「上野公園」の検索結果一覧 - 旧・元【東京】江戸御府内八十八ヶ所順打ち巡礼記【遍路】跡地



「空海と密教美術」展チラシ




最近アラフォー"仏ヲタ"デビューを果たした、
中高の同級生の405女史と、
やはり高校の同級生ですが、
"仏"には全く興味のない失業中のゾウと三人で
楽しみにしていたこの東博の特別展へ出かけてみました。
なんと国宝・重文率が98.9%!!。
期待は膨らみます。




東京国立博物館  


入場制限等は行なわれていないようです。
すんなりと入場できました。
第一会場の「第一章 空海 − 日本密教の祖」。
まずは12世紀・平安時代作、
大坂・金剛寺の「弘法大師像」がお出迎え。
この「大師像」は期間中他と二度入れ替わりますが、
平安時代の古いものが観たかったので嬉しいです。
第一章のメインともいうべきは、
空海直筆の国宝「聾瞽指帰」。
あれなんで「三教指帰」ってタイトルじゃないの??、と思っていたら、
当初は「聾瞽指帰」という題で書かれ、
後にご本人の訂正により「三教指帰」となったんだとか。
私、不勉強で知りませんでした。
さてこの「聾瞽指帰」。上下巻に分かれていて、
全巻展示を観る為には8月23日(火)以降の後半に再訪が必要です。




さて「第二章 入唐求法 − 密教受法と唐文化の吸収」。
ここではもう年を経て色あせてしまった「真言七祖像」や、
最澄筆、国宝「御請来目録」、密教法具等がずらり。
空海が唐より持ち帰ったという讃岐・善通寺の錫杖頭には、
この時から六年ぶりの再会です。



→ 「弘法大師御誕生所・善通寺展〜出開帳と四国八十八ヶ所お砂踏み〜」 - 旧・元【東京】江戸御府内八十八ヶ所順打ち巡礼記【遍路】跡地




さてこの第二章に彼はいました。




兜跋毘沙門天立像  




何度か書いております通り、
「四天王」というユニットでは「多聞天」という名で活動しているものの、
ソロや「七福神」ユニットでは「毘沙門天」の名になるこの仏教守護の天部。
その中でも地天女の手の平にのって活動すると、
スペシャル・ソロネーム「兜跋毘沙門天」となります。
この東寺のこの像はご覧の通り仏像には珍しい八頭身で、
どこかお顔も涼しげな醤油顔。405さんもベタ惚れの様子です。
自説では日本での製作ではなくて、どこか高い場所に置かれて、
見上げることを計算されたのものであろうと推測しておりましたが、
やはり学説も唐での製作で、古い記録によると、
元々は平安京の羅城門の上に安置されていたものとか。



第一会場の最後は、「第三章 密教胎動 − 神護寺高野山・東寺」。
これらのお寺の曼荼羅図や法具がズラリとまた並びますが、
ここでの私の興味は、やはりあの神護寺の国宝・空海筆「灌頂歴名」です。
ここには「最澄」の名と、後に最澄の元を離れる際に、
最澄さん、申しわけねーすっ、自分、空海さんについて行きてーすっ。」発言で有名(嘘)な、
「泰範」の名が記されていることで著名ですが、
私はこのメモ書き風の空海さんの人間味のある書が大好き。
そうそう、やはり東寺の国宝・空海筆「風信帖」は後半のみか・・・。残念。




さてさて、ミュージアムショップを横目に見て、
第二会場「第四書 法灯 − 受け継がれる空海の息吹」。
たたみかけるように、大きな仏像が登場始めました。
ここでの私のお薦めは京都・醍醐寺の重文・五大明王大威徳明王像。
水牛に乗っている姿はヒンズーの死の神であるヤマ(閻魔)を調伏した意味なのに、
後捕なんだそうですが、なんとワンピースのチョッパーとようなかわいい水牛。
ちっちゃな足でしっかりと立っています。これがとってもかわいい。




京都・醍醐寺の五大明王の大威徳明王像





そして最後は、東寺講堂の国宝・立体曼荼羅の全二十一体から、
八体が出品された「仏像曼荼羅」。
この立体曼荼羅を観るのは初めてではありませんが、
東寺ではこんなに近く、明るく、裏側までは拝せません。



帝釈天騎象像



ここで一番楽しみにしていたのは、
この象に乗った像ww、「帝釈天騎象像」。
しかしなんだかどうしてか、遠くからのお姿や、
多くのそのお写真と比較すると、あまり美しく見えないのです。
まるで憧れていた女優さんを実際にみると、
ちょっと違ってみえてしまったようなガッカリ感。
憧れていた仏像でこんな気持ちになったのは初めてでした。





図録とチラシと絵葉書二枚



さてたっぷりと曼荼羅のシャワーを堪能した3時間。
やっぱり図録(2500円)と東寺・曼荼羅の絵葉書を購入。
いつもは置いてけぼりになる私も、
この二人のペースが一緒だったので心地よかった。




本館の展示1  本館の展示2



時刻はもう午後一時を過ぎています。
お腹も減ったので、軽く平常展を見ると、
なんとあの真如苑が落札した運慶作の大日如来が展示中。



運慶作 大日如来
「国の宝」について その → 




やっと出会えた、憧れの大日如来しゃん。
やっぱりいいねぇ、運慶の「如来」顔。
萌え萌えで、疲れがブっ飛びました。
ただ14億とか聞いちゃうとちょっと興ざめ。ww




「法然と親鸞 ゆかりの名宝」チラシ



おおっ、次は、「法然親鸞 ゆかりの名宝」か。
今回とは対照的な"仏"スタイルだけど、
やっぱり行っちゃうんだろうな、自分。




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