西國三十三所順打ち巡礼記

旧・元【東京】江戸御府内八十八ヶ所順打ち巡礼記【遍路】

「黒澤明 DVDコレクション」3『赤ひげ』

公式サイト https://publications.asahi.com/kad/





黒澤明 DVDコレクション」 → 1『用心棒』2『七人の侍』
→ 「黒澤明という時代」(文藝春秋)
→ DVD「生きる」・「赤ひげ」
→ DVD「羅生門」
→ DVD「姿三四郎」・「續姿三四郎」
→ DVD「一番美しく」
黒澤明監督作品と「スター・ウォーズ」シリーズ → その一その二
→ 「黒澤明」関連の記事








黒澤明 DVDコレクション」の、
第三弾は『赤ひげ』でございます。
いや、この辺りの順番のセンスが、
今回オイラ全作購入を決意した理由の一つ。
享保の改革で幕府が設立した、
小石川養生所を舞台に、
そこに集まる貧しい病人と、
それを懸命に治療する、
医師との交流を描いた作品。
この作品は黒澤明の最後の、
「白黒」作品であり、
あの三船敏郎にとっても、
これが最後の黒澤映画となった作品。
日本映画の危機が叫ばれていた時代に黒澤明が、
「それを救うものは映画を創る人々の
情熱と誠実以外にはない」
「映画の可能性をギリギリまで追ってみる」と、
熱意を込めて製作した大作で、
執筆に2年、撮影に1年半もの期間をかけました。
原作は山本周五郎の、
赤ひげ診療譚』ということになっていますが、
後半はドストエフスキーの、
『虐げられた人びと』を用いています。
主役の「赤ひげ」を演じた三船敏郎は、
白黒映画にも関わらず、
本当に薬品を使いひげを赤く染めたそうで、
薬品は皮膚や髪を傷めて、
使うたびに気分が悪くなっていたとか...。
そして長崎帰りの若いエリート蘭学医を演じた、
正真正銘のボンボン・加山雄三は、
『椿三四郎』に次ぐ黒澤明作品の出演ですが、
「君は白紙でいいからな」と、
そのままの素材を求めたという話は、
いかにも黒澤作品らしい、
こだわりのエピソードです。




キンギョソウ