特別展「仁和寺と御室派のみほとけ」東京国立博物館 その十七

天平真言密教の名宝ー
開催期間 2018年1月16日(火) 〜3月11日(日)
開館時間 9:30〜17:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日 月曜日*1
観覧料金 一般1600円、大学生1200円、高校生900円*2
110-8712 台東区上野公園13-9 東京国立博物館 平成館
公式サイト http://ninnaji2018.com






東京国立博物館 その ↓

十一十二十三十四十五十六





仁和寺と御室派のみほとけ展



恒例の高校の同級生四人による、
プチ同窓会=見仏会は、
去年から楽しみにしていた、
仁和寺展」の最終日。



秋葉原の木蓮




朝九時に上野公園口集合の予定でしたが、
LINEのグループトークに、
ピーが少し遅れるとの連絡があり、
元々かなり早く着く予定だったので、
秋葉原で電車を降りて、
D500をカバンから取り出して、
木蓮のある道をお写ん歩しました。



東京国立博物館  平成館





さて開館時間前の、
東博にトウチャコしました。
チケットはすでにワタシが手配済み。
ほとんど入場規制はなく、
四列に並び進んだものの、
すぐに会場に入れました。



仁和寺蔵 国宝 高倉天皇宸翰消息




仁和寺光孝天皇の発願で、
宇多天皇により創建されましたので、
まず「第一章 御室仁和寺の歴史」は、
皇室関連の肖像画や宸翰が主になります。
写真は高倉天皇仁和寺第六世門跡、
守覚親王に宛てた手紙、
仁和寺蔵 国宝 高倉天皇宸翰消息」。



仁和寺蔵 国宝・薬師如来坐像  



しかしその中に、
黒山の人だかりの仏像があります。
仁和寺蔵 国宝・薬師如来坐像」は、
平安時代、円勢・長円作で、
わずか像高12cmで白檀に金箔。
あまりに精巧緻密なので、
写真では知っていたものの、
こんなに小さいとは驚きでした。



仁和寺蔵 国宝 三十帖冊子




また書の目玉である、
仁和寺蔵 国宝 三十帖冊子」
は、ここです。
期間中何度か帖替があるようですが、
この日は空海の書が見れました。





仁和寺蔵 国宝・孔雀明王像



「第二章 修法の世界」は、
密教の教えの加持力と、
それを具体的にもたらす、
修法にスポットを当てます。
仁和寺蔵 国宝・孔雀明王像」。
毒蛇を啄む孔雀は、
インドでは神聖なものとして、
扱われるそうですが、
密教の孔雀経法においても、
孔雀明王は人々の災厄や、
苦痛を取り除く象徴。
ヒンドゥー教では、
スカンダという神が、
同じように孔雀に乗ります。




仁和寺観音堂の再現  仁和寺観音堂の再現




さて続いて、
「第三章 御室の宝蔵」では、
仁和寺と御室派関係寺院の、
絵画、書跡、工芸が立ち並び、
「第四章 仁和寺の江戸再興と観音堂
で、現在修復工事中の観音堂の内部を再現。
通常一般非公開のお堂なので、
これは必見でございます。
そしてなんとこの章のみ、
写真撮影が可という太っ腹。



観音堂再現正面  
観音堂本尊  十一面観音・右から
風神  不動明王



中央本尊に十一面観音菩薩
左右に不動明王降三世明王と、
阿吽の金剛力士風神雷神



二十八部衆  二十八部衆
二十八部衆  観音堂の回廊の再現



そして色彩豊かな、
二十八部衆がズラリ。
回廊の壁画も、
忠実に再現されております。





仁和寺蔵 国宝・阿弥陀如来坐像  仁和寺蔵 国宝・阿弥陀如来坐像



さて最後の、
「第五章 御室派のみほとけ」
で、お待ちかねの仏像がどーんと登場。
仁和寺蔵 国宝・阿弥陀如来坐像」
は、仁和寺創建時の本尊で、
定印を結ぶ阿弥陀如来像では、
製作年代が分かるものの中では最古。
ただ脇侍の観音菩薩勢至菩薩が、
阿弥陀様そっくりの定朝顔で残念。



道明寺蔵 国宝・十一面観音立像



「道明寺蔵 国宝・十一面観音立像」
は、これまた思ったよりも、
コンパクトで驚きました。
やや二重顎と膨よかなお顔ですが、
全体的なバランス感はピカイチ。
一木彫刻とは思えないほどの完成度です。





葛井寺蔵 国宝・千手観音像坐像   葛井寺蔵 国宝・千手観音像坐像




そして今回の目玉である、
葛井寺蔵 国宝・千手観音像坐像」。
昨年の関西二重生活の間に、
ご開帳日に藤井寺に行く計画を立てるもの、
なかなか調整がつかなかった、
長年憧れの千手観音像。
本当に手が千本以上ある千手観音像は、
これしか現存していません。
お顔は憂に憂いを重ねた、
物悲しい寂しげな表情。
しかし嬉しいんだけど、
裏側を観せてくれるのはどうでしょう。
とても美しい芸術的なヌード写真なのに、
グロテスクな性器が見えてしまったような、
言い様のない違和感があります。




中山寺秘仏本尊 重文・馬頭観音坐像


さて今回一番美しいと感じて、
みろくと意見が一致したのは、
中山寺蔵 重文・馬頭観音坐像」。
忿怒相ではありながら、
強く優しさがある中央に、
興福寺の阿修羅像を彷彿とする、
憂いを湛えた左右の表情。
しばらく二人で立ち竦み、
見惚れておりました。





本館平常展の仏像  本館平常展の仏像
本館平常展の仏像




さて、いつも通り、
平常展の仏像もチェックしましょう。




雲中供養菩薩  雲中供養菩薩





本館入口の一番最初に、
この「雲中供養菩薩」がありました。
「雲中供養菩薩」といえば、
平等院鳳凰堂で、阿弥陀如来像の、
長押の上の小壁に懸けられたもので、
52躯は国宝に指定されていますが、
この像には文化財の指定がありません。
現存52躯が国宝に指定される前に、
流出したものなんでしょうか。
しかし52躯中の僧形のモノと比較すると、
明らかに作風が異なります。

*1:2月12日(月・休)は開館、2月13日(火)は閉館

*2:前売・団体割引あり・障害者とその介護者一名は無料