興福寺中金堂再建記念特別展
開催期間 2017年9月26日(火) 〜11月26日(日)
開館時間 9:30〜17:00(入館は閉館の30分前まで)*1
休館日 月曜
観覧料金 一般1600円、大学生1200円、高校生900円*2
110-8712 台東区上野公園13-9 東京国立博物館 平成館
公式サイト http://unkei2017.jp
東京国立博物館 その ↓
一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、
十一、十二、十三、十四、十五
さて恒例のプチ同窓会・秋の部は、
仏ヲタにはたまらない運慶展。
しかし朝から強い雨が降る、
あいにくの空模様...。
朝9時に上野駅公園口改札前で、
待ち合わせたゾウ、みろく、ピーの四人。
連日の大混雑・入場規制を、
噂に聞いていたもので、
チケットはワタシが事前に手配済み。
チケット売り場の行列は、
なんと寛永寺輪王殿に届く勢い...。
チケットを持っている方々も、
開門前にとぐろを巻いて行列し、
これまた芸大方向に伸びて行きます。
開門後はお馴染みの平成館前の大行列...。
10時近くになって、
ようやく入場することが出来ました。
この時点で結構クタクタですが、
仏像を観れば、
飯もいらないワタシですから、
体力はV字回復する予定。
さてまずは第1章は、
「運慶を生んだ系譜ー康慶から運慶へ」。
生年不明な運慶ですが、
そのデビュー作の奈良・円成寺蔵、
国宝・大日如来坐像や、
父・康慶の作品、
静岡・瑞林寺蔵、
重文・地蔵菩薩坐像等が並びます。
第2章は「運慶の彫刻ーその独創性」。
ここにワタシが長年憧れていた、
静岡・願成就院蔵の、
国宝・毘沙門天がおわしました。
寺外公開はなんと42年ぶりとのこと。
どこから観てもスキのない、
パーフェクトなポーズ。
これぞ運慶たる名仏。
願成就院は是非訪れて、
国宝・不動明王立像にもお会いしたい!
神奈川・浄楽寺蔵の、
重文・阿弥陀如来坐像・両脇侍立像、
不動明王立像、毘沙門天立像は、
あくまで私見ですが、
コレあまり運慶の気合を感じません。
なんか鎌倉幕府に「作らされた」印象。
第1章に父・康慶の、
重文・地蔵菩薩坐像もありましたが、
この運慶の六波羅蜜寺のモノは、
その眼力が違って見えます。
この辺りが運慶のセンスです。
栃木・光得寺蔵の、
重文・大日如来坐像は、
厨子に入った念持仏で、
小さなものですが、
とても精密でありながら、
運慶らしい力強さを持ち合わせています。
高野山金剛峰寺の、
国宝・八大童子立像は、
以前東京でも、高野山霊宝館でも、
何度か拝しておりますが、
今回は運慶作の六軀が上京。
相変わらずチャーミングなお姿に癒されます。
愛知・瀧山寺蔵の、
この重文・聖観音立像は、
明治期の彩色がとても残念。
一度落として復元出来ないものか。
興福寺の国宝・無著菩薩・世親菩薩立像、
国宝・四天王立像も、
現地の国宝館と南円堂でお会いしましたが、
この配列は北円堂にあったであろう頃の、
再現なんだとか。
運慶最晩年の作品とされる、
重文・大威徳明王坐像とも、
金沢文庫でお会いして以来の再会でした。
出品目録とは異なり、
これまた何度もお会いしている、
アメリカのオークションにかけられた、
現在、真如苑真澄寺蔵の、
重文・大日如来坐像は、第3章、
「運慶風の展開ー運慶の息子と周辺の仏師」
の、入口に置かれていました。
国宝・重源上人坐像とも、
現地東大寺や東京で、
何度もお会いしております。
これは運慶のリアリズムの極致です。
息子・康弁の代表作、興福寺の、
国宝・天燈鬼立像、龍燈鬼立像。
こちらも現地でお会いしておりますが、
後ろに回って観るのは初めて。
童子のような体型ですが、
足や尻の筋肉は隆々で、
元専門家のゾウが見ても、
解剖学的に合致しているとか。
最後は、浄瑠璃寺から、
バラバラになってしまった、
重文・十二神将像が、
42年ぶりの全員集合でフィナーレです。
やっぱり十二神将は、
薬師如来を背中にして、
ぐるりと取り囲む、
新薬師寺方式の方がカッコいいよなぁ。
そうそう、それから「申」が、
本当に猿顔のモノは初めて見ました。
平成館の特別展は、
これで終了ですが、
今回はこれにプラスして、
本館14室にて、
「運慶の後継者たちー康円と善派を中心に」
が、開催されています。
運慶の孫の康円の、
重文・文珠菩薩坐像や、
獅子、侍者立像や、
後に独自の展開を遂げ、
善派の棟梁となる、
善円(善慶)の作品が、
いくつも展示されていました。
こちらは一部を除き、
写真撮影が可能です。
珍しく図録を購入してしまいました。
全作品をカラーで収録。
新規撮影も豊富で大満足です。