「黒澤明 DVDコレクション」15『影武者』

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黒澤明 DVDコレクション」 
→ 1『用心棒』
→ 2『七人の侍』
→ 3『赤ひげ』
→ 4『椿三十郎』
→ 5『天国と地獄』
→ 6『羅生門』
→ 7『乱』
→ 8『隠し砦の三悪人』
→ 9『生きる』
→ 10『蜘蛛巣城』
→ 11『醉いどれ天使』
→ 12『野良犬』
→ 13『静かなる決闘』
→ 14『悪い奴ほどよく眠る』



黒澤明監督作品と「スター・ウォーズ」シリーズ 
→ その一その二
→ 「黒澤明という時代」(文藝春秋)
→ DVD「羅生門」その一
→ DVD「生きる」・「赤ひげ」
→ DVD「姿三四郎」・「續姿三四郎」
→ DVD「一番美しく」
→ 「黒澤明」関連の記事










さてこのDVDシリーズも、
黒澤明監督作品、
全三十作になりますので、
ちょうど折返しになりました。
第15号は『影武者』です。
先日『万引き家族』の受賞で、
話題になりましたが、
この作品もカンヌ国際映画祭で、
最高賞パルム・ドール受賞作品。
黒澤明が『デルス・ウザーラ』以来、
五年ぶりに撮った映画で、
『赤ひげ』以来の時代劇で、
初のカラー時代劇。
本当はシェイクスピア原作の、
リア王』を翻案した、
『乱』を撮りたかったんだけど、
あまりに壮大なスケールだったもので、
製作費の調達に難航してしまいます。
それに替って企画されたのが。
この『影武者』なんですが、
こちらもやはり製作費が足りない!
しかし黒澤明を師と慕う、
フランシス・フォード・コッポラと、
ジョージ・ルーカスの働きかけで、
東宝20世紀フォックスの、
共同出資により、
『乱』の前哨戦として、
製作が実現しました。
今号のマガジン巻頭インタビューは、
まさにそのフランシス・コッポラ!!
物語は黒澤作品で唯一、
実在の戦国武将にまつわる、
エピソードを取り上げた、
スペクタクル巨編。
小泥棒が武田信玄の、
影武者となり生きる運命を描きます。
ビデオカメラを持ち込んだことを、
黒澤に拒否された、
勝新太郎の降板が話題となりますが、
当初は勝を影武者に、
勝の実兄の若山富三郎を、
信玄とする案や、
勝を信玄と影武者の二役、
若山を武田信廉とする、
いくつかの案もあったそうですが、
若山は勝と黒澤のトラブルを予期したのか、
表向きには体調不良を理由としていますが、
黒澤明? そんなうるせえ監督に出られねえよ俺は」
と、オファーを断わったとか。
勝新太郎の『影武者』。
黒澤明監督の、
トラ・トラ・トラ!
と、同様に幻になりましたが、
心から観てみたかった作品デス。