「墨攻」(文春文庫)


makoto-jin-rei.hatenablog.jp




Prime Videoで「キングダム」の、
アニメ1〜2シーズンを観て、
すっかりハマってしまいまして、
コミックス既刊54巻を、
大人気ない大人買いをしたワタシ。
当然書店に在庫のない号は、
amazon楽天を利用したので、
最近、ターゲティング広告は、
「古代」「中華」系が多数浮上。




墨攻(字幕版)

墨攻(字幕版)


Prime Videoの、
「おすすめ」に上がった、
こちらが面白そうだったので、
早速観てみましたが、
なんだか脚本の世界観も小さくて
撮影、特撮もちゃちい。
日中韓合作だそうだけど、
原案は日本の小説で、
それを漫画化したものが、
今回の原作とか。




墨攻 (文春文庫)

墨攻 (文春文庫)






ならばその根底の、
小説を読んで見たくて、
早速購入致しました。





墨攻」というタイトルは、
著者の酒見賢一さんが、
墨守」を転じた造語。
兼愛・非攻などの思想を説いた、
墨子が築いた墨家思想。
墨家の指導者は鉅子と呼ばれ、
時は三代目・田襄子の時代。
次第に体質を変え、
権力と結びつく傾向にあった。
そんな中で、
墨子の思想を貫こうとする、
主人公の革離は、
趙・ 燕両国に挟まれた、
小国・梁に請われて、
たった一人で、
趙の大軍に攻められる、
梁城を守ることとなる。




漫画は読んでないけど、
これもいいねぇ。
映画より全然いい。
なんで映画の脚本は、
これを無理矢理捻じ曲げてんの?
ホントよく分からん。



さて近代化以降の中国は、
欧米の言語を漢字化することが出来ず、
多くの「和製漢語」を日本から逆輸入します。
「自然」
「意識」
「右翼」
「左翼」
「運動」
「階級」
共産主義
「人民」
「共和」
「失恋」
「進化」
「接吻」
唯物論
などが、その一例ですが、
今の中国の国名の
「人民」「共和国」も和製漢語ならば、
国家体制の政党の名称すら、
和製漢語なのです。



こういう文化の衰退が、
こんな素晴らしい原作をして、
こんなつまらない映画を作り出す、
原因なのかもしれません。