今日は長男の授業参観でした。
科目は国語。課題はグループ毎に別れて、
読んだ本のあらすじを発表するもの。
なんと長男のグループは「鬼子母神の話」でした。
うちはなんてBuddhisticなfamilyなんでしょう。
おいおい!?「東京都の話」ってあんた。
何を勘違いしたのか。
お釈迦様や鬼子母神が東京都民だったら石原慎太郎もびっくりです。
確かに鬼子母神といえばなんといっても「恐れ入谷の鬼子母神」。
雑司が谷の鬼子母神も有名ですからね。
鬼子母神は日蓮宗のお寺に祀られることが多いんです。*1
さて「鬼子母神」。「きしもじん」と読むのが正しいのですが、
長男曰くその本にも「きしぼじん」とルビがふられていたようで。
今やどっちでもいいのでしょうか。PCもどっちでも変換されますし。
せっかくですからこの発表の絵を勝手に使わせて頂き、
簡単に鬼子母神について説明しましょう。
鬼子母神(きしもじん)。
サンスクリット語でハーリティ。
音写を訶利帝母。意訳を歓喜母、愛子母ともいいます。
元々はやはりインドの神様。
ガンダーラの老鬼神アンチーカの妻で、
前世の誓いから他人の子供をさらっては食べてしまう怖ろしい鬼でした。
ただしこの夫妻には大変お盛んなことに自分達はせっせと子作りに励み、
500人の子*2がいたそうです。
他人の子 食べては 自分の子をつくる
〜 鬼子母神夫妻 〜
子供を食べられてしまう東京都の人々。
困った人々はこれをお釈迦様に相談すると、
なんとお釈迦様、鬼子母神夫妻の末っ子で最愛の子ピヤンカラを隠してしまいました。
目的は何であれ「未成年者略取誘拐」を犯すお釈迦様。
現代の世では許されません。
刑法第224条 未成年者を略取し、又は誘拐した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。
半狂乱でピヤンカラを捜し、見つからずに深い悲しみに沈む鬼子母神。
そこにお釈迦様の登場です。
「500人の子供の一人がいなくなってもそんだけ悲しいんだぜ。
人間は子供をそんなに作れないのに、
その少ない子供を食べられてしまった親の悲しみを考えてみろよ。」
!?数の問題でしょうか??お釈迦様!?
ピンヤカラを返してもらった鬼子母神。
それからは深く反省して仏教に帰依し、安産や子育ての神となりました。
散々他人の子供を食べておいて、
今更反省したから幼児を守護する神になるというのは
現代の感覚からすると信じられませんね。
現代の日本の裁判だったら主文は「被告人を死刑に処する。」が当然で、
「判決理由」は「被告人は深く反省しているとはいえ、多くの未成年者の生命を奪いその人肉を摂取するという異常な罪の刑事責任は重大でありその酌量の余地はなく極刑を免れない」
・・・となるでしょう。
それから鬼子母神。
手に石榴(ざくろ)をもっていますが、この石榴、人間の肉の味に似ている
お釈迦様からプレゼントで「子供の代りにこれを食え」っていうもの・・・。
って・・・まだ食べたいんかいっ!?
まあ実際には種が多い植物なので「子宝」の象徴からきたもので
人肉説は迷信でしょう・・・。
そう考えると子供を食べる鬼だったというお話も
このガンダーラの神様を仏教に吸収するために作られたお話で、
元々子沢山の優しい神様だったのかも知れません。