特別展「国宝 阿修羅展」東京国立博物館 その八

興福寺創建1300年記念
2009年3月21日(火)〜6月7日(日) 
110-8712 台東区上野公園13-9
博物館公式サイト http://www.tnm.jp/ 
特別展公式サイト http://www.asahi.com/ashura/




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新規顧客開拓ターゲットにかこつけて、
上野にやって参りました。
本当の目的は、先月末から、ここ上野は、
東京国立博物館で開催されている、
この阿修羅展のその混雑の様子を伺い見ること。
様々な噂によれば、たとえ平日でも、
40分前後並んで待つ、
入場規制が行われているということです。
さすがにそれでは仕事中は無理ですが、
最近、私には平日の代休がありません。




やはり今回は阿修羅さんとはご縁がなかったんだろうか。
そんな想いで、東博の中を覗き込むと、
意外なことに今現在、入場規制は行われていないようです。
時刻は夕方3時半過ぎ。この時間は狙い目のようです。
一目だけでも阿修羅さんにお会いしたく、
発作的に1500円の通常入場料金を支払い、
吸い込まれるように平成館へと向かってしました。




国宝 阿修羅展



いつも通り、平成館で行われる東博の特別展は、
必ず第一会場の第一、二章、
第二会場の第三、四章と、四つに分割されています。



一年前の、国宝 薬師寺展が、
事実上の主役が日光・月光菩薩といえども、
展覧会の名が寺名であったのに対し、
今回は「興福寺展」ではなく、一仏像を冠します。
それだけ阿修羅がメインなのです。




さて第一章は、「興福寺創建と中金堂鎮壇具」。
出土した創建当時の工芸品の遺物が展示されていますが、
時間がないので仕方なく「流し」ます。
しかし、この手の出土品は、
なぜか重文・国宝の登録の判定が甘いのはなぜだろう。



第二章はこれいつもメイン会場なんですが、
今回も「国宝 阿修羅とその世界」。
まずはかの有名な伝橘夫人念持仏の阿弥陀三尊とその厨子ですが、
まるで扱いは外タレ大物バンドの日本の前座バンドのようでした。




次の展示室にはずらりと十代弟子像と八部衆が立ち並びます。
ここで私のテンションは最高潮に盛り上がり、
そして次にはいよいよ主役である阿修羅が、
ガラスケースなく、待っていてくれました。
まずは高いところから見下ろして
その目前に立つためには、
また小さな小さな入場規制があり、
そして最前列は時計回りに周り続け、
立ち止まることを禁じられます。



今でこそ有数の仏ヲタの私ですが、
高校生の頃はまったく興味がなかったことは、
ここで何度も書いています。
しかし、この阿修羅だけは、
奈良国立博物館のガラスケース越しではあったものの、
その美しさに惹きつけられて、
ただ呆然と立ち尽くした覚えがあります。




阿修羅さん、二十年以上のご無沙汰でした。
そしてガラスの句切りのない初対面、大変嬉しく思っております。
まさに「Nice to meet you.」でございます。



あなたは、なぜこんなにも見る角度の微妙な違いで、
その表情を変えてしまうのか・・・。
こんなところに、こんな美しさがあったなんて、
私はもうメロメロです。



国宝 阿修羅展 チラシ




時間が許せばいつまでもここにいて、
あなたを眺め続けたいところではありますが、
残念ながらそうは行きません。




第三章の「中金堂再建と仏像」は、
康慶作の大迫力の四天王と、
中金を堂の中尊の脇侍である巨大な薬王・薬上菩薩、
運慶作、釈迦如来像頭部に足早に拝しました
ここでの鑑賞ポイントは、
四天王に踏みつけられている、
邪鬼たちのユーモラスな表情です。
外国の方が邪鬼を指差し、デビルと訳しておりましたが、
私にはもっとかわいげな小悪魔的なイメージです。




しかしここでタイムアップ、
第四章「バーチャルリアリティ映像」は、
残念ながらスルーして、
お土産売り場も「流し」、
後ろ髪を抜かれるように、
東博を後にしました。




小遣いが続くならば、
会期中、あと二、三回は伺いたく思いました。




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