「ブレイブ・ストーリー」(上・中・下)


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長男が四月から通う市立中学校には、
朝自習に10分間の読書タイムがあるそうで、
持参する為、面白い本を教えてほしいと頼まれました。




いや面白い本、私がお薦めしたい本なら、
私の本棚に山ほどありますよ。
あれもこれも是非読んでほしいと思います。




ただ、ハリーポッター・シリーズ完読など、
元々読書が嫌いではない長男。
ここが真の読書好きになるかどうか微妙なところ。




まだ今、無理に時代物や歴史物を薦めても、
最初の作品がとっつきにくかったりすると、
他の作品が食わず嫌いになる可能性があります。




現代物にも良いものはたくさんありますが、
どうしても多少は性と暴力の表現があります。
私はあんまりそんなの気にしませんが、
先生に誤解されてしまっては長男が気の毒です。




そんな時、思いついた作品がこちらでした。
私が常々天才だと感じている、
宮部みゆきさんの作品です。




ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (中) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (中) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (下) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (下) (角川文庫)



宮部みゆきさんといえば、
東京下町を舞台にした現代ミステリーが出世作
多くの作品に唸らせられました。
しかし大したことはないだろうと、
高を括っていたお江戸下町の時代物。
読んでみて吃驚、またまた参りました。



その宮部さんがこのファンタジーを書いたことは、
もちろん以前から知っていました。
しかしファンタジーといえば、
RPGではドラクエシリーズは大好きなものの
ただ映画や小説となると、
まるでスイーツ(甘い物)と同義語に聞こえるほどに苦手です。
だけどもハリポタ好きの長男なら、
きっと楽しく読むことでしょう。



薦めた手前、長男が読み終えた巻から読んでみました。




さすがだねぇ〜、みゆきさん。
あんたやっぱ天才だよ。



いきなりファンタジーの世界からスタートはしません。
やはり宮部さんお得意の現代東京の下町から、
現実的にこの仮想物語は始まります。




どこにでもいる平凡な小学五年生の主人公が、
誰にでもなりえる、まるでボタンのかけ違いのような、
「現世」での出来事に巻き込まれてゆき、
これを変えたいという願いが、
彼を「幻界」へと誘い、彼を勇者へと成長させます。




この「幻界」での世界情勢や勢力地図、
人種差別問題は、本当は今この「現世」であった、
また今もある問題を描いているに過ぎません。
それがこの小説の凄いところ・・・。




これを長男に薦めたこと。
そして私もこの小説を読んだこと。
本当に良かったと感じております。




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