「さよならもいわずに」

「さよならもいわずに」

公式サイト http://www.enterbrain.co.jp/product/comic/beam_comic/09257401.html




古くからのこのブログの読者の方々から、
最近、読書ネタや映画ネタが少ないと、
厳しいツッコミを頂戴しております。
いえいえ、私はいつも通り、
平均すれば一週間に、
二、三本の映画のDVDを観て、
四、五冊の小説の単行本と、
一、二冊のコミックス、
そして月刊誌・週刊誌を数冊を読み続けております。




ただし最近このブログに紹介したいような、
心動かされる作品が少なかった・・・。




→ 「このマンガがすごい!」の検索結果一覧 - 旧・元【東京】江戸御府内八十八ヶ所順打ち巡礼記【遍路】跡地




2011年の「このマンガがすごい!」第3位に、
独特なリアルなタッチで、かつてなかったギャグを描く、
上野顕太郎さんの作品が選ばれていることは知っていました。
通称・ウエケンさんのギャグ作品はとても異質なもので、
私、嫌いではないもののコミックスを買うほどに興味もなく、
今の今まで、書店でも手に取ることもなく過ごしておりました。
しかしどうやらこの受賞作品・全一巻は、
ギャグではなくて、最愛の妻との別れを描いたドキュメントだったとか。
そうそう、ウエケンさんの作品には、
よく奥様らしき、キャラが登場していたのを覚えています。
あぁ、あの奥さん若くして亡くなってしまっていたのか・・・。




さよならもいわずに (ビームコミックス)

さよならもいわずに (ビームコミックス)




・・・ダメです。これ、もう涙が止められません。
今日の帰りの満員の総武線快速で、人目も憚らず大号泣。
最愛の妻との突然の決別。悲しみ、喪失、絶望、そして慟哭・・・。
そんな混乱の中で、どこか客観的なもう一人の自分。
かつてこれほどまでに等身大でありながら、
強く、深い夫婦愛を描いた、小説が、映画が、あっただろうか。
世界中の小説家や映画監督は、日本の一人のギャグ漫画家に遠く先を越されました。



オイラごときのお勧めよりも、
すべてはこの本の"献辞"に尽きます。


本作は、前妻キホに捧げる最後の作品である。



大切な人を失ったすべての人に。
そして大切な人がいるすべての人に。



2010年6月 上野顕太郎

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