公開講座「メディアで辿る習志野の歴史:映像・写真・音楽」 〜東邦大学習志野キャンパス その五〜 

東邦大学理学部教養科主催
日時 2015年9月12日(土)13:00〜16:00  
(二部構成:第一部 講演、第二部 映画「五人の斥候兵」上映)
参加費 無料(事前申込不要)
講演者 保利透氏(アーカイブプロデューサー・戦前レコード文化研究家)・鈴木貴宇氏(東邦大学理学部教養科人文科学教室 講師)
274-0072 船橋市三山2-2-1 東邦大学習志野キャンパス 薬学部C館101




→ 映画「五人の斥候兵」について
東邦大学習志野キャンパス その → o1234
習志野駐屯地 その → 123
陸軍習志野学校跡地 その → 1 2 34567
→ 習志野ってどこ??
→ 習志野騎兵旅団司令部跡
→ 騎兵第十三連隊跡
→ 騎兵第十四連隊跡・戦車第二連隊跡
→ 旧陸軍演習場内圍壁(支那囲壁砲台跡)
→ 秋山好古顕彰碑 除幕式





東邦大公開講座のチラシ




なぜか直前で予定が目白押しになってしまいましたが、
楽しみにしていた東邦大学公開講座を受講いたしました。



東邦大学習志野キャンパス   薬学部C館





会場は東邦大習志野キャンパス。
主催は理学部教養科なんですが、
会場は薬学部C館一階の101大講堂。



C館1階 101講義室  主催者・講演者



主催者である理学部教授のご挨拶。
東邦大学は医学部・薬学部・理学部と、
理系の学部のみの大学ですが、
この講座は地域に根差したという文系企画。
講演は東邦大の教養課程文学担当講師、
昭和五十一年(1976)生の鈴木貴宇女史と、
その命名は"ポリドール"からもじったというホリトール(?)、
アーカイブプロデューサーで、
戦前レコード文化研究家という保利透氏(43)。




講座案内  昭和二十一年(1946)の習志野の地図



まずは鈴木女史の講義。
主旨は「戦後70年」を考えるきっかけとして、
まずは東邦大創設者・額田兄弟を取り上げて
当時の額田豊著書のベストセラーや、
額田晋の結核医療について紹介します。
そして騎兵隊兵舎だったこの地が、
学生たちの学舎となる変遷を語りつつ、
石川啄木の「飛行機」を朗読して、
語り部は保利氏へと交代します。
保利氏は千葉県の生まれとはいえ、
多古町の出身だそうで、
実は習志野郷土史は、
あまり詳しくはないとお見受けしました。
カンペを手放せずカミカミの解説お疲れ様です。
明治天皇天覧演習と習志野原の成り立ち、
騎兵隊、鉄道連隊、戦車連隊、習志野学校と、
パワーポイントを使った当時と現代の写真比較。
そして、保利氏専門の、
習志野所縁の軍歌音源と貴重な動画フィルム。
中でも一番オモシロかったのは、
この省線老機関士と鉄道連隊の若い機関特業兵との、
心の交流を描いた「指導物語」。







五人の斥候兵 [VHS]

五人の斥候兵 [VHS]




さてお待ちかねは第二部の、
この「五人の斥候兵」上映です。
前回の記事で、日本初の国際映画賞受賞作と紹介しましたが、
ご想像の通り、もうこの時代には、
日独伊がすでに国際的に孤立しており、
ヴェネツィア映画祭はボイコットしている国も多かったのです。
映画は、邦画初の女優が一切登場しない、
ヒューマン・セミ・ドキュメンタリーのハシリなんだそうですが、
一人の斥候兵が戻らずに心配するだけの単純なストーリーです。
音源も悪く、台詞もあまり聞き取れず、
正直退屈な展開ですが、少なくともこの昭和十三年(1938)は、
一兵士の命がまだ尊いものであると表現されていると感じました。
また戦後制作された戦争映画とはまったく異なる、
将兵と兵卒の命令と復唱、その動きとやりとり。
緊迫する戦闘シーンにはかなり引き込まれてしまいました。
うんホント、頑張って観てよかった。