- 作者: 木下昌輝
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/04/07
- メディア: 文庫
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”戦国時代の梟雄”、
宇喜多直家を描いた、
木下昌輝さんの、
衝撃のデビュー作の文庫化です。
なんと驚くべきことに、
と、五冠を受賞しました。
権謀術数により、
勢力拡大を図る、
戦国大名・宇喜多直家。
表題作は”捨て嫁”として、
後藤勝基に嫁がされた、
四女・於葉の視点から、
夫の敵である父を描きます。
他に五編の短編が重なる、
全六編のいずれもが、
戦国時代の備前・備中を舞台に、
宇喜多直家を取り巻く物語。
様々な視点を通し、
直家がなぜ肉親さえも信じずに、
妻子をも犠牲にして、
下克上を成り上がる、
その修羅道に至るか...。
直家の幼少時の苦難と、
不幸な才能ゆえの大罪、
妻子を守る為であった策謀、
直家を妬む主君との対決など、
”梟雄”の真の姿を浮き彫りにします。
そしてこの全六編が、
すべてつながっていることに、
読者は読み終えて気付かされます。
しかしこれがデビュー作なんて、
ホント信じられない...、
何この圧倒的な読み応えと、
止まらないリーダビリティ。
最近読んだ歴史時代小説では、
ダントツのピカイチです。
善人なおもって往生を遂ぐ、いわんや悪人をや。