祭神 金山彦命・金山姫命
101-0032 千代田区岩本町2-1-5
神田の岩本町を歩いていると、
鉄筋コンクリートの社殿に、
「丸金」マークの神社がありました。
はて?、これはあの、
「丸金」のマークの神道系の新宗教の神社かい?。
いやいや、どうも違うみたい。
鳥居の神額には、「金山神社」とあります。
金山神社といえば、
境内には多くの男女の性器が祀られ、
また、いきり立った男性性器の神輿を担ぎ、
子授け・安産・縁結び・夫婦和合を願う、
「かなまら祭」で有名な川崎の若宮八幡宮の境内社が有名ですが、
ご祭神の、金山彦神と金山毘売神の男女神は、
イザナミが火の神カグツチを産み性器の火傷で苦しんでいる際に、
病んで、吐いた嘔吐物から生まれた神様二柱で、
そもそもは鉱山を司り鉱業、鍛冶・金属加工・技工を守護する神様です。
ここ神田には鍛冶町という地名が残る通り、
幕府お抱え鍛冶職頭領、関八州鍛冶職総支配の、
高井伊織の拝領屋敷があったそうで、
その周囲には金工・鍛冶職人・鋳物師が沢山住んでいました。
関東近郊で見る大きな銅造の仏像や仏塔には、
よく「神田住」と鋳物師の名が記されています。
また、ここ岩本町周辺には。
その卸問屋が多くあったそうで、
今も多くの金属製品の販売業社が残っています。
昭和の初め、東京金物同業組合が、
金山彦神・金山毘売神を祀る、
総本宮である岐阜の南宮大社より、
ご分霊を組合事務所に奉斉するも、
先の戦争の災禍で祭祀を中絶。
戦後の昭和二十七年(1952)に、
改めてから、御分霊を再勧請して建立したのが、
現在のこちらの金山神社なんだそうです。
ここまで読んで、お気づきの方もいらっしゃるでしょう。
昭和初期以前、それでは江戸の職人、商人は、
いったい何に拝んでいたのだろうか。
現代もこの神社で行われている「ふいご祭り」と「みかん奉納」。
江戸の当時には稲荷神に捧げられていたそうだとか。
お江戸八百町に多いもの。
「火事、喧嘩、伊勢屋、稲荷に犬の糞」
これは是非真面目に研究してみたいテーマです。