【坂東第二十番】獨鈷山 善門院 西明寺 

宗派 真言宗豊山派
本尊 十一面観世音菩薩
ご詠歌 西明寺 ちかひをここに 尋ぬれば ついのすみかは 西とこそきけ
321-4217 芳賀郡益子町益子4469
公式サイト http://fumon.jp/




→ 坂東三十三ヶ所観音霊場巡礼一泊二日の旅 埼玉・栃木・茨城編 初日 - 旧・元【東京】江戸御府内八十八ヶ所順打ち巡礼記【遍路】跡地
→ 坂東三十三ヶ所観音霊場巡礼一泊二日の旅 埼玉・栃木・茨城編 二日 - 旧・元【東京】江戸御府内八十八ヶ所順打ち巡礼記【遍路】跡地



さて"坂東巡礼2010"、
埼玉・栃木・茨城編の第一弾は、
この通り、次男との一泊の二人旅となりましたが、
残ってしまった、栃木一箇所、茨城三箇所が、
どうしても心残りです。
遅い夏休み第二弾のこの四連休。
もう一泊は必要ないでしょう。
発作的に計画を立て、
今回は長男との二人旅。



日曜、朝六時半ちょっと過ぎ、
前日塾で遅かった眠い目をこする長男を助手席に、
習志野宅を出発。
ナビのないオンボロラウムは、
東北道を駆け上がり、
栃木都賀Jct北関東自動車道へ。
真岡ICで降り、陶器の里・益子を目指します。



茅葺屋根の西明寺寺務所  寺務所の観音様



益子市街から東に少し離れ、
坂東巡礼お馴染みの山登りを終えると、
駐車場の隣にはこの茅葺屋根の寺務所がありました。
先に納経して朱印帳を預け、
こちらにも祀られている観音様にご挨拶。
猫がこちらに尻を向けたまま欠伸していました。(笑)



さてこちら、そもそもは天平九年(737)の行基菩薩の開基と伝わります。
聖武天皇の勅願で刻んだご本尊の十一面観音は、
元は豊前国(大分県)にありましたが、
その後、行基がここを霊地と見て堂宇を建て本尊を遷しました。
元の寺号は益子寺でありましたが、
出家して最西寺殿とも呼ばれた北条時頼がここに寄進した後に、
同音である、現在の西明寺と改められました。




石壇



私の踵、長男のオスグット膝にはキツイ石段です。
これも修行のうちよ。
長男よ、ボヤくな。黙って登るのだ。痛ったたたたっ。



楼門
阿形  吽形




まずは明応元年(1492)建立、
「純唐様式三間一戸重層入母屋造茅葺き」の、
国指定重要文化財の楼門がお出迎え。
室町時代の特徴をよく残す建築方式なんだとか。




三重塔


楼門から遅れること46年、
天文七年(1538)に西明寺城城主・益子家宗の建立した三重塔です。
やはり国指定重要文化財に登録されています。
板屋根の三重塔は我国唯一のものであるとか。




鐘楼



この変わった鐘楼堂は、
「三間四方重層宝形造り茅葺き」という形式で、
享保七年(1722)建立。
県指定文化財です。
梵鐘自体は、寛文十一年(1671)の鋳造です。



閻魔堂




さてこちらの閻魔堂。このお堂自体は、
正徳四年(1714)建立、寛保三年(1743)再建の素朴な建物です。



閻魔堂内


しかし堂内には県指定文化財
中央・閻魔大王と、左右に善童子・悪童子
左奥には奪衣婆の仏像が並んでいます。
そして右奥には、地蔵菩薩



笑いの閻魔  脱衣婆



なぜかその閻魔大王が大爆笑中。
閻魔様が裁判官ならば、
童子・悪童子は良かれ悪かれ、検察官。
奪衣婆は拘置所職員か?、
地蔵菩薩は弁護士と言ったところか。



お寺の縁起によれば、
閻魔様の化身元である、地蔵菩薩真言
「おん、かかか、びさんまえい、そわか」
「オーン、ハハハ、ヴィサマエー、スヴァーハー」
の、ハハハ(笑い声)を表現しているそうです。 




弘法大師の無盡水  加持本壇の城(場)





延暦年間(782〜806)、
ここにもやはりどこぞの弘法大師がやって来ました。
当時ここはまだ法相宗だったので、
僧侶たちは真言宗弘法大師の高名を妬み、
岩屋に閉じ込めてしまいました。
すると大師は独鈷一つで、するりと脱出。
これにより山号が独鈷山になったとか。
おそらくその時でしょうか、
本堂下にはやはり錫杖一本で湧かせたであろう無盡水。
また本堂前の石段の上には、案内がなければ気づかない、
小さな加持本壇の城(場)があります。




本堂
本堂





さて観音堂である本堂です。
本堂自体は元禄十五年(1702)再建であり、
県指定有形文化財に留まっていますが、
本堂内の厨子は、このお寺で最も古く、
室町時代初期のものと推定され、
これも国指定重要文化財に登録されています。




回向柱



本堂、左には回向柱がありました。
ご開帳はいつなんだろうか。




こうやまき(高野槇)の巨木




本堂の右後ろには、
高さ30m、周囲5.4m、推定樹齢750年のこうやまき(高野槇)の巨木です。
巨木との出会いは、坂東巡礼醍醐味の一つです。




本堂から振り返る楼門と三重塔




第二十番 朱印




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