崇福山 護国院 安楽寺 〜八角三重塔〜

宗派 曹洞宗
本尊 釈迦如来
386-1431 上田市別所温泉2361
公式サイト http://www.anrakuji.com/



実は北向観音堂お参り前に、
今夜の宿にチェックインしておりまして、
慣れぬ旅館の木の履き物を
カランコロンと鳴らし歩く、
母とワタシと二人の息子。



安楽寺黒門 
不許葷酒入山門



北向観音の参道のすぐ近くにあったのは、
別所三楽寺の一つ、安楽寺の黒門です。
信州最古の禅寺とも言われて、
鎌倉の建長寺と深い関係を持っていたそうですが、
建長寺臨済宗でこちらは曹洞宗
黒門門前にはさすが禅寺らしく、
不許葷酒入山門がありますが、
旅館の部屋でビールを一杯飲んだことは、
どうかお目こぼし願います。
m(_ _)m




安楽寺参道安楽寺山門



欝蒼とした樹々の中に、
この急な石段があり、
この上の山門をくぐると、
巨大な本堂が現れます。



安楽寺本堂
安楽寺本堂内



釈迦如来を祀る本堂。
この本堂のうしろに、
伝芳堂、開山堂と呼ばれる小堂があり、
重文に指定されている、
開山の樵谷惟仙、二世の幼牛恵仁の坐像が、
二つ祀られておりますが、
ガラス張りが反射して、
残念ながら写真はNG。




経堂  経堂内



経蔵は寛政七年(1794)の宝形屋根土蔵造。
ここに寛政十二年(1800)黄檗山万福寺から、
買い求めた黄檗一切経が納されているとか。
ん?今度は黄檗宗っすか??(´・ε・`)



安楽寺境内



さてこの六地蔵等の石仏を通り過ぎ、
お目当ての国宝を目指します。
長野県には現在、先ほどの善光寺本堂を含め、
五つの国宝建築物がありますが、
最初に指定されたのは、
松本城天守とこちらです。



参道から仰ぎ見る八角三重塔  安楽寺の墓地  



国宝安楽寺八角三重塔。
四重にも見えますが、
一番下は裳階というひさしで、
正確には裳階付三重塔となります。
塔というのはお釈迦様の骨である、
舎利を納めた釈尊の墓ですが、
現在世界中の舎利を集めると、
アフリカゾウ二頭分以上あるであろうという話は、
このブログでも度々しております。
元々古いお寺では塔が寺の中心にありますが、
時が経つにつれて塔はだんだんと、
寺域の隅に置かれるようになります。
鎌倉時代開山のこちらの塔も、
この墓地墓域にあります。



八角三重塔近景  八角三重塔の軒下



日本唯一の八角の塔。
実は山の上に登ってみると、
案外アンバランスな形に見えるそうですが、
この塔の設計者は見上げ仰ぐことを、
計算しているのでしょう。
ワタシも山に登るなどと、
あえて不粋なことはやめましょう。
塔には縁や手摺がなく、
柱は直接地面から立ち、
屋根を支える垂木が、
まるで扇のように放射線状に出ています。
これは純粋な禅宗様式なんだそうで、
日本ではこれが唯一ですけれど、
中国では塔は大体八角が普通とか。
こちらの内部にはこれまた何でか、
大日如来が祀られているそうで。。。
なんともとっても不思議な安楽寺さんです。