西國三十三所順打ち巡礼記

旧・元【東京】江戸御府内八十八ヶ所順打ち巡礼記【遍路】

一乗山 大法寺

宗派 天台宗
本尊 釈迦如来
386-1603 小県郡青木村当郷
公式サイト http://www.vill.aoki.nagano.jp/assoc/see/tera/daihouji.html




大法寺  



この小さな塩田平に、
安楽寺八角三重塔の他にも
もう一つ国宝の三重塔があると聞き、
車は上田市内から離れ、
小県郡青木村にやって参りました。
大宝年間(701-704)に、
藤原鎌足の子・定恵により建立されたという古刹。
一乗山・大法寺。
元は「大宝寺」と記されていたとか。



本堂  大法寺本堂内



本堂の本尊は釈迦如来のようですが、
ここに観音堂の本尊、
十一面観音の脇侍であった、
普賢菩薩が祀られているようです。
これも国指定重文ですが、
十一面観音と作り手と時期が、
共通しているものの、
特に象に乗っている訳でもなく、
あくまで普賢だというのは、
寺の言い伝えによるものです。



羅漢石像  石羅漢



本堂から観音堂、三重塔に歩く坂道には、
最近作られたであろう羅漢石像が並びます。




栗林一石路句碑



途中左手、青木村郷土美術館前、
"栗林一石路句碑があります。

「シャツ 雑草に ぶっかけておく」

・・・正直、全然良さが分からんとです、マコトです。




石段



急で長く高い石段の上、
国宝の三重塔がそびえ、
その脇の観音堂に、
重文の厨子内・須弥壇の上に、
やはり重文の十一面観音立像が祀られているようです。




観音堂と三重塔  大法寺観音堂内



観音堂内の厨子は見えますが、
十一面観音菩薩は要予約、
別途、拝観料要のご開帳。




国宝大法寺三重塔  国宝大法寺三重塔




観音堂の西北の小高い丘に、
三間四方の檜皮葺の国宝三重塔。
屋根の曲線が空を舞う鶴の羽のように、
優雅な姿をみせる美しい塔です。
この塔は上の層に行くに従って、
塔の幅が小さくなる、
逓減率の大きな造り。
先ほどの前山寺の三重塔と異り。
長押があり、勾欄があり、
各階の扉には表面が板だけの、
和様そのものの特徴とか。
往時の大一級の国道であった、
ここ東山道を旅する人々は、
この塔の姿があまりにも美しいのもで、
思わずふり返るほどであるという意から、
「見返りの塔」と呼ばれていたそうです。




なるほど日本人の心の奥底に響く美しい塔です。