Prime Video「アメリカン・ビューティー」


アメリカン・ビューティー ― オリジナル・スコア版 サウンドトラック

アメリカン・ビューティー ― オリジナル・スコア版 サウンドトラック




アカデミー賞が話題になる季節。
一応「自称・映画ファン」なもので、
一通り鑑賞しているつもりですが、
歴代の作品賞のリストを見ると、
どうしてもこの第72回のオスカー、
アメリカン・ビューティー」だけは、
全く内容が思い出せません。
Amazon PrimeにあったのでDLして、
昨日の帰りの新幹線で観てみました。



シカゴ郊外の一軒家に住み、
広告代理店に勤める、
主人公のレスターは42歳。
不動産販売を営む妻キャロライン、
生意気盛りの高校生の娘ジェーン。
一見、幸せそうな中流家庭であるが、
妻は見栄っ張りの上昇志向、
娘は思春期で父を嫌悪している。
ある日、レスターは娘のチアリーディングを見に行き、
彼女の親友アンジェラに一目惚れをしてしまう。
妄想の中で乱れる娘と同い年の少女。
これをきっかけに変ってゆくレスター。
人生とは、幸せとは。
「今日は残りの人生の最初の一日」
コミカルな進行の中で、
徐々に破滅へと向かう悲劇。



ワタシがこの作品を最初に観たのは、
まだ30歳になったばかりの頃で、
ただ薄気味悪くにやけた、
ロリコンのおっさんが、
妄想と現実の区別があやふやになり、
自己破滅するだけの映画との感想で、
ついには内容を完全に忘却しておりましたが、
47歳になって観てみると、
実に身につまされる内容で驚きました。
アメリカン・ビューティー」とは、
真っ赤な薔薇の品種で、
主人公の妻が庭で育てていて、
部屋のテーブルを飾っています。
この「赤」が全編に渡って使われていて、
妄想と現実の世界を繋ぐ役割を持たせ、
最後はサスペンスでそれを爆発させます。
今観てみると、アカデミー作品賞、監督賞、
主演男優賞、脚本賞、撮影賞と5部門受賞は、
全くの納得です。
おそらくくたびれた中年にならなければ、
この映画の良さはわかりません。
R40にすべきデス。(笑)