「七人の役小角」

七人の役小角〔小学館文庫〕

七人の役小角〔小学館文庫〕




日本史上「超人」と呼ばれる人は何人かおります。
聖徳太子しかり、弘法大師空海しかりです。



しかし他に、その伝説で、
空を飛び、海を歩き、神を呪縛したりと、
ハチャメチャな「超人」ぶりを発揮している、
この「役小角(えんのおづぬ)」を、
上回るは「超人」はありません。





修験道の始祖として有名な彼。
確かに実在した人物のようですが、
信用できる彼の史実は、
わずかに「続日本紀」に数行あるばかり。
それはただ、



「呪術によって人々を惑わしたと弟子に讒言された為に遠流された。」



と、書いてあるだけなんです。




その後の「日本霊異記」や、
様々な古来の言い伝えや、
道教や、密教(雑密)等の、
新たな伝説を吸収し、
膨らみに膨らんで、
現在の鬼を従えた仙人のような、
役小角」が完成したようです。




今日紹介するこの本は、
あの「陰陽師」の夢枕獏さんの監修。
夢枕さんといえば、すぐに安倍晴明が思いつきますが、
超能力者のような「沙門空海」もお得意です。
沙門空海唐の国にて鬼と宴す〈巻ノ1〉 (トクマ・ノベルズ)
つまりこういう様々な伝説で、
膨らんだかのような超人が好きなんでしょう。
この「七人の役小角」は、
なかなか実体の見えない、
時空を飛び越えるような役小角を、、、




黒岩重吾さん、
司馬遼太郎さん、
藤巻一保さん、
永井豪さん、
六道慧さん、
志村有弘さん、
坪内逍遙さん、




と、いう凄いメンバーの七人が描いたものを集め、
それを夢枕獏さんが前書きと巻末の解説で挟んでいます。




面白いっ。




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