西國三十三所順打ち巡礼記

旧・元【東京】江戸御府内八十八ヶ所順打ち巡礼記【遍路】

「七人の役小角」

七人の役小角〔小学館文庫〕

七人の役小角〔小学館文庫〕




日本史上「超人」と呼ばれる人は何人かおります。
聖徳太子しかり、弘法大師空海しかりです。



しかし他に、その伝説で、
空を飛び、海を歩き、神を呪縛したりと、
ハチャメチャな「超人」ぶりを発揮している、
この「役小角(えんのおづぬ)」を、
上回るは「超人」はありません。





修験道の始祖として有名な彼。
確かに実在した人物のようですが、
信用できる彼の史実は、
わずかに「続日本紀」に数行あるばかり。
それはただ、



「呪術によって人々を惑わしたと弟子に讒言された為に遠流された。」



と、書いてあるだけなんです。




その後の「日本霊異記」や、
様々な古来の言い伝えや、
道教や、密教(雑密)等の、
新たな伝説を吸収し、
膨らみに膨らんで、
現在の鬼を従えた仙人のような、
役小角」が完成したようです。




今日紹介するこの本は、
あの「陰陽師」の夢枕獏さんの監修。
夢枕さんといえば、すぐに安倍晴明が思いつきますが、
超能力者のような「沙門空海」もお得意です。
沙門空海唐の国にて鬼と宴す〈巻ノ1〉 (トクマ・ノベルズ)
つまりこういう様々な伝説で、
膨らんだかのような超人が好きなんでしょう。
この「七人の役小角」は、
なかなか実体の見えない、
時空を飛び越えるような役小角を、、、




黒岩重吾さん、
司馬遼太郎さん、
藤巻一保さん、
永井豪さん、
六道慧さん、
志村有弘さん、
坪内逍遙さん、




と、いう凄いメンバーの七人が描いたものを集め、
それを夢枕獏さんが前書きと巻末の解説で挟んでいます。




面白いっ。




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