27日午前、歌謡曲「矢切の渡し」の作詞で有名な、
作詞家、石本美由起さんが亡くなりました。
「矢切の渡し」といえば、松戸と柴又を結ぶ渡し舟。
映画「男はつらいよ」でも取り上げられますが、
その元祖は間違いなく伊藤左千夫著の「野菊の墓」です。
「野菊の墓」といえば、
幼い頃に読んだ覚えもありますし、
あらすじもしっかりと覚えています。
何度か映画化されておりますし、
それをいくつか観たこともあります。
実はこれ伊藤左千夫氏本人の、
自伝的な私小説なんだそうです。
伊藤左千夫の生家には先日訪れたばかりです。
→ 山武市歴史民俗資料館 〜伊藤左千夫生家〜 - 旧・元【東京】江戸御府内八十八ヶ所順打ち巡礼記【遍路】跡地
同じ千葉県内ですが、史実では、
松戸ではなくここで成東で、
あの「野菊の墓」の世界が展開されていたようです。

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嗚呼・・・、
・・・いい。
なんて、爽やかに、
これほどまでに絶望的に悲しくて、
心が震えてしまうのだろう・・・。
「プラトニック」そしてその後の「死」、
誰がどうしてその完璧な関係を崩すことが出来ようか。
いつもはJR津田沼駅から、
総武線各駅停車始発で居眠りをして通勤する朝です。
今日はこの小説の世界に引きずり込まれ、
伊藤左千夫が晩年住み今も墓のある亀戸駅付近でウルウル。
彼が牧場を開いていた錦糸町駅付近では、
伴宙太さながらの「目の幅涙」鼻水ダラダラの号泣でした。
なんだろう、この感覚。
この当時の封建的な日本では、
結婚は当人同志の希望ではなく、
家と家との結びつきでありますが、
なんというか、この表現力。
さすがは夏目漱石が絶賛したという、
日本文学を代表するような純愛作品です。
実際の「政夫」さんこと、
伊藤左千夫本名の「幸次郎」さんは、
強面でまるでテキヤの親父のような人相ですが、
その点は観て見ぬ事にいたしましょう。
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