「黒澤明 DVDコレクション」6『羅生門』

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黒澤明 DVDコレクション」 
→ 1『用心棒』
→ 2『七人の侍』
→ 3『赤ひげ』
→ 4『椿三十郎』
→ 5『天国と地獄』




→ 「黒澤明という時代」(文藝春秋)
→ DVD「羅生門」その一
→ DVD「生きる」・「赤ひげ」
→ DVD「姿三四郎」・「續姿三四郎」
→ DVD「一番美しく」
黒澤明監督作品と「スター・ウォーズ」シリーズ 
→ その一その二
→ 「黒澤明」関連の記事








→ 芥川龍之介「藪の中」
→ DVD「羅生門」その一




映画「羅生門」につきましては、
一度簡単にブログに書いております。
タイトルは『羅生門』ですが、
本編の内容のほとんどは、
同じ芥川龍之介の短編小説 、
『藪の中』を原作にしており、
冒頭に少しだけ、
羅生門』の要素があるのみです。
日本映画として初めて、
ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞と、
アカデミー賞名誉賞*1を受賞したことで、
世界に日本映画と黒澤明の名を轟かせ、
黒澤明の代表作として、
扱われることも多いのですが、
正直、黒澤作品の中では難解で分かりにくく、
国内ではあまり商業的に成功しませんでした。
その年のキネマ旬報ランキングでも5位に留まり、
製作を推し進めた大映の役員や、
プロデューサーは左遷され、
ヴェネツィア国際映画祭の表彰式には、
関係者どころか日本人が一人もなく、
付近をたまたま歩いていた、
小柄な東洋人にタキシードを着せて、
出席させたんだとか。
黒澤明は映画祭の出品すら、
知らなかったそうです。
登場人物はたった八名。
黒澤明のダイナミックな演出に加え、
当時不可能とされていた太陽をも捕らえた、
宮川一郎の革新的なカメラワーク。
これにボレロ風の早坂文雄の音楽が合い、
映画の"総合芸術の到達点"とされる作品。
後日。黒澤明はこう話していたとか。
「日本映画を一番軽蔑していたのは、
日本人だった。
その日本映画を外国に出してくれたのは、
外国人だった。
これは反省する必要はないか、と思う」

*1:現・最優秀外国語映画賞