- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/09/07
- メディア: 文庫
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最近ではどこの書店でもやっていますが、
書店員が自分のお薦めの本を、
平積みにして推薦文を添えるという方法は、
我が街、津田沼の昭和堂さんという本屋から始まりました。
「白い犬とワルツを (新潮文庫)」
は、この推薦文が口コミで広まって、
津田沼のこの昭和堂だけでベストセラーになって、
やがて全国に広まり、映画化までされました。
この書店員がベストセラーを生み出した伝説が、
元になったのかどうなのかは分かりませんが、
書店からベストセラーを作ろうという主旨から、
始まった「本屋大賞」。
書店員の投票によりランキング方式で、
大賞が選出されています。
第一回大賞が、
「博士の愛した数式 (新潮文庫)」
で、
第三回大賞が、
「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~」
この作品はその間の第二回の大賞受賞作品になります。
前置きが大変長くなりましたが、
ベストセラーに関しては、
最近「へそ曲がり」を返上した大変素直な私です。
以前だったら、レジに持っていくのも抵抗があった、
こんな「青春もの」ってやつをちょいと読んでみました。
あ゛ぁ゛、、、いい。
なんでしょ、これ。
高校生がぞろぞろと24時間かけて80km歩くだけのお話です。
暴力も殺人も、性描写も、トリックも、な〜んにもありません。
高校生がただぶつくさ喋って歩いているだけなんです。
居酒屋で何気なく頼んだポテトサラダの、
芋のつぶし具合も、マヨネーズの量も、
絶妙な塩梅で最高に美味かった時みたいな、そんな感じ。
著者は「ノスタルジーの魔術師」といわれているらしいのですが、
そんなんじゃないんだよなぁ。もっとなんか熱いんですよ。
この人、私より五つも年上なのに、
高校生の頃のあの淡い心情を
冷凍保存でもしていたんでしょうか。
「次の電柱まで息が止められたら」、
「次にあの角を曲がってくる車が白かったら」、
なんて、自分で自分にいろんな賭けをしていながら、
今考えればどうでもいいようなことを、
人生のすべてのように考えていたあの頃を思い出しました。
気持ちだけでも18歳に戻ってみたいあなた。
これ、お薦めです。
映画化されて9月30日に公開されるんですね。
↓
http://www.yorupic.com/
↑「ヨルピク」ってあんた・・・。