「黒澤明 DVDコレクション」8『隠し砦の三悪人』

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→ 6『羅生門』
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黒澤明監督作品と「スター・ウォーズ」シリーズ 
→ その一その二





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→ 「黒澤明」関連の記事









さて『隠し砦の三悪人』は言わずと知れた、
スター・ウォーズ*1第一作の、
原案となった作品。
冒頭とラストシーンもとてもそっくりですし、
狂言回し的役割の太平と又七が、
C-3POR2-D2のモデルであることも有名です。
またヒロインの雪姫は男勝りで、
レイア姫の性格と行動にとても良く似ています。
雪姫は4000人もの応募者にも候補者が見つからず、
東宝の関係社員が試写会会場で、
文化女子短大を卒業したばかりの、
上原美佐さんがスカウトされ抜擢されます。
上原さんは馬術・剣道を習い、
武家の姫らしい身のこなしを身に着けて、
この役に挑んだんだとか。
この後八本の映画に出演してスターになるも、
「私には才能がない。」と、
僅か二年で自ら引退してしまいます。
平成十五年(2003)に、
六十七歳で逝去なさったようですが、
死因・命日は不明です。
さて閑話休題隠し砦の三悪人』、
シェイクスピアの『マクベス』の翻案の、
蜘蛛巣城』(1957)と、
ゴーリキーの同名戯曲を題材とした、
どん底』(1958)と、重い二本の後に、
黒澤明監督が、
「理屈抜きの娯楽作品にしたい」
と、製作された作品です。
ジョージ・ルーカスは、
スター・ウォーズ』で、
ダース・べイダーにも、
オビ=ワン・ケノービーにも、
三船敏郎をオファーしますが、
いずれも断られてしまいますが、
もしオビ=ワンを三船が受けていたならば、
レイア姫には日本人女優を起用し、
ハン・ソロはアフリカ系男優を利用しただろうという、
驚くべき構想を明かしています。
こういう"たられば"が、
黒澤明ファン&SWファンに共通して堪りません。

*1:新版『エピソードIV/新たなる希望』